
鉄道現業ではそんな珍しくもないこの拘束時間ですが、今日の鉄道ネタは「何時間くらい働いているの?」「出勤時間は?」といった意外と知られていないであろう労働時間について書いていきたいと思います。
目次
変形労働時間制
どこの鉄道会社でもそうだと思いますが、駅員や乗務員などの現業職の勤務形態では「1ヶ月単位変形労働時間制」という制度を採用しています。
意外と働いている現業職でも知らない人がいるもんですが

労働基準法では、労働時間は週40時間、1日8時間までと定められています。それ以上いくと残業代が発生するわけです。
しかし、このルールに則ると鉄道会社にとっては超不利益になってしまいます。冒頭で述べたように、24時間拘束の泊り勤務の場合、おおまかに休憩と仮眠を除いて15~6時間くらいが労働時間となります。

ちなみに泊り勤務の場合、退勤は翌日になりますが労働時間としては1日分の扱いになります。途中で勤務が途切れるものではないという理由だそうです。
これを1ヶ月、約10回の泊り勤務をこなすと、残業代が約80時間分…。。人件費だけで会社がつぶれかねません。
そこで「1ヶ月単位変形労働時間制」が出てまいります。この制度では
・1ヶ月の労働時間を平均する
・週あたり平均40時間以内に収まっていれば所定労働時間(残業にはならない)
例えば、2月(4週間ぴったり)の労働時間合計が158時間だったとします。これを週平均にすると158÷4=39.5となります。
これであれば、1日8時間を超えて働いた日があったとしても、その超過分について残業と扱わなくても良いということになります。


駅員のサイクル
さて、続いては出勤時間・退勤時間について書いていきたいと思います。
駅員の場合、9時~翌朝9時の24時間勤務が基本です。その日担当する改札口や出札窓口(切符売り場)によっては、時間が前後したり、泊りではなく日勤の場合もありますが多くはこのパターンです。
私の時は9時~翌朝9時半まででした。
9時から出勤者が点呼(朝礼)に出て、そのまま各担当箇所へ行き前日の出番者と引継ぎ、一斉に交代となります。
出勤時間が大きく変わることなく日々の勤務が回っていくので、サイクルという点では比較的リズムを作りやすいかと思います。
乗務員はバラバラ
一方、車掌運転士の乗務員勤務は決まった時間に一斉に交代することはありません。
それぞれが電車に乗務していて、あちらこちらに散らばって仕事をしているため、決まった時間に交代するということができないわけです。
更に、時間帯によって必要な人数も変わってきます。
・朝ラッシュ帯は列車本数が多く、たくさんの乗務員が必要になる
・昼間の閑散時間帯に向け徐々に本数が減り、乗務員は少なくて良い
・夜ラッシュに向けて本数を増やし、乗務員は多く必要となってくる
このような事情があるため、出退勤時間で乗務員の人数を調整していきます。
Aさん:8時~翌朝8時
Bさん:12時~翌朝10時
Cさん:15時~翌12時
こんな感じで、ちょっとずつ入れ替わっていくようになっています。休日などの流れがちょっとズレると、同じ職場なのに1ヶ月くらい全然会わない人なんかもいます
乗務員の出勤時間
以上のように、乗務員になると出勤が朝ではなく行路によっては昼や夕方となることも多くなります。

なによりラクで良いのが通勤ラッシュに巻き込まれずに出勤できることです。これに慣れてしまうと、たまの9時出勤のラッシュど真ん中が苦痛です。
基本的には翌日の始発担当が早めに出勤して仮眠時間に入るのも早く、終電担当は遅い出勤で最後まで働くような時間設定になっています。
注意すべき点としては、毎回の出勤時間が変わるので、時間の勘違いによる遅刻をしないことですね。

逆に退勤時間は?
最後は退勤時間について書きましょう。
泊りの乗務員の退勤は午前中に終わるのがほとんどですが、私の職場では何行路か12時を過ぎる行路もあります。

基本的には始発担当が早く退勤し、前日の終電担当ほど遅く退勤するイメージです。私の職場では、一番早い人で9時前、遅くて13時前…といったところです。
そこから着替えて帰ることになるので、帰りの時間も通勤ラッシュからは外れてラクラクな帰宅です。9時あたりだといろいろと寄り道して帰るのもいいですね。
逆に遅めの11時12時の退勤では、ちょうどお昼時なのでランチをして帰るのもいいもんです。家に帰れば着替えてベッドへGo!となると気持ち良いものですが、家庭があるとそうもいかないものですね。。。
まとめ
・駅の勤務は24時間一斉交代が基本
・乗務員は出勤退勤時間はバラバラ
・始発担当は早く出て退勤も早い
・終電担当は遅く出て退勤も遅い
いかがでしたでしょうか。
泊りの勤務に慣れてしまうと、週5で朝から晩まで働いている一般サラリーマンが凄すぎる!と思うようになります。

それでは今回はここまでです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
