こんにちは、ひすまる(@Hys22978629)です。
早朝の時間帯、寒い日が続きますね。
今日の記事では、この時期の鉄道運行の大敵『霜』の話です。


(好きだけど)
目次
天井がバチバチ!?
まずはこちらをご覧ください。
YouTubeより、架線凍結時の映像です。
通常走行時、電車は屋根上のパンタグラフと架線が接触することで電気を取り入れています。
架線が凍結し氷や霜が付着すると、一時的に架線とパンタグラフが離れアーク放電が発生します。
(アーク放電とは、空気中を電流が流れる現象の一種です)
映像中でも、一時的に離線して客室内の照明が落ちていますね…。
電車が走っているときに、パンタグラフと架線の間でスパークが発生して結構な光が見えた、なんていう現象を見たことはないでしょうか?
あれがアーク放電です。
架線やパンタグラフが損傷することも…
冒頭のYouTube映像をご覧になった方やスパークの現場を見たことのある方は、こう思うかもしれません。
「コレそのまま走ったりしてて大丈夫なの?」
たいていの場合、アーク放電は瞬間的な現象であるためそのままで構わないのです。

まぁこれだけではここでお話が終わってしまうので
ごく稀に本当に大丈夫じゃないことだってあるんです。
アーク放電の際には、瞬間的に大きな熱が発生するため、パンタグラフの損傷や架線の溶断といった事故に繋がることがあります。

たかが霜と思うなかれ…
このように、霜の発生は長時間の運転見合わせに繋がる可能性すらあるのです。
霜はどうして発生するの?
そもそも霜がどうして架線にくっつくのか…?
簡単な理科の内容ですがおさらいがてらに。
霜は0℃以下に冷えた物体の表面に、空気中の水蒸気が固体化して、氷の結晶として堆積したもの
でしたね。
・早朝の放射冷却でキンキンに冷やされた金属製の架線
(銅が用いられているのが一般的です)
・『低温×多湿』の気象条件
(飽和した水分が氷となる)
以上の条件が重なると、空気中に留まっていられなくなった水蒸気が架線に付き
氷の結晶となる…
いわゆる
『架線凍結』
と表現される状態となるのです。
鉄道会社の霜対策とは…?
以上の条件より、気象情報から霜の発生というのはある程度予測ができます。
前日の段階で「明日は霜が発生しそう」という予測を立てた場合、どんな対策をするのでしょうか。
シンプルで効果的な対策は『霜取り用の列車を走らせる』です。
最終列車と始発列車の合間時間に電車をぐるぐる走らせて
パンタグラフで霜を剥ぎ取っていく、という方法です。
営業列車の露払いとでも表現できるでしょうか。。

しかし、これはなかなか手間がかかるという難点はあります。

なんて思われるかもしれませんが、意外と手間がかかるんですよ。
運転士の手配、車両の手配と車検までの走行距離の計算、ダイヤの設定、夜間工事との兼ね合いetc…。。
様々な調整を経て霜取り列車は運行されています。
架線凍結に当たった経験
始発で凍結していたとき
冬季に霜の影響でバチバチのアーク放電が発生…
これ、かつて経験があります。
真冬の始発列車、時間は5時頃…
周りはもちろんまだ真っ暗だったのですが、頭上は新手の花火大会か!?と思うほどの閃光に包まれました。
運転台にはさまざまな計器があり、架線の電圧を表示する計器もあるのですがまぁ0と1.5KVを行ったり来たり…
こんな状況、速度なんか出せるわけもなく、片道50分かからないくらいの乗務が2時間半かかりました。

霜取り列車を担当したとき
逆に霜取りの列車を担当したこともあります。
終電が行った後、始発までの間に担当路線を行ったり来たりの2往復くらいしたのかな😅
外はもちろん、駅のホームも照明落として真っ暗な中を孤独にテクテク走ったもんです。
(当然終電終わってるので駅の照明は全落ち)

眠気に関してはコチラ↓↓

まとめ
・霜が大敵
・最悪パンタグラフや架線が壊れる可能性が
・対策は霜取り列車を走らせる
いかがだったでしょうか。
架線凍結で運転見合わせのニュースの裏にはこんな事情がありました。
抜本的な対策というのも難しいので、自然現象相手は厳しいですね。
それでは霜ネタは以上ここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
